冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

最初に試したのは、エメラルドグリーンのドレス。肩が出るデザインで、スカートは床まで届く長さ。

試着室から出ると、湊の視線が私に注がれる。

「綺麗だ」

湊が立ち上がり、私の周りをゆっくりと歩く。まるで、作品を鑑賞するように。

「だが、違うな」

「え?」

「もっと、お前に似合う色がある」

次は、シャンパンゴールドのドレス。胸元にビジューがあしらわれた、華やかなデザイン。

だけど、これも湊は首を横に振った。

「華やかすぎる。お前の良さが消えてしまう」

湊の言葉は的確で、私自身も鏡を見てそう感じていた。

三着目。深いネイビーのイブニングドレス。

シンプルなデザインだが、背中が大きく開いている。

肩紐は細く、首元から背中にかけてのラインが美しく見えるカッティング。

試着室で着替えながら、私は躊躇した。

普段の私なら、絶対に選ばないデザインだけど……どうだろう?

深呼吸をして、私はカーテンを開けた。

試着室から出ると――湊の動きが、止まった。

ソファに座っていた彼が立ち上がり、ゆっくりと近づいてくる。
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