冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
最近の湊は、私の些細な変化にもすぐ気づくようになった。
「今日は、新しい香水か?」
「髪、少し切った?」
そんな何気ない言葉が、私を特別な存在として見てくれているのだと実感させてくれる。
オフィスでも、その温度は変わらない。
人前では徹底して「社長と部下」を演じているものの、ふとした瞬間に視線が重なる。
会議中、資料を説明する私の手元や、廊下ですれ違う一瞬。
彼の眼差しは、磁石のように私を捉えて離さない。
「社長、会議に集中してください」
湊の秘書の吉田さんが、困り果てた様子で耳打ちする。
「わかっている」
湊はそう答えたが、視線だけは私から離れなかった。
私は、頬を赤らめながら資料に目を落とす。
こんなに見つめられたら、集中できない。
◇
休憩時間。給湯室でコーヒーを淹れていると、、同僚の本橋さんが悪戯っぽく微笑みながら近づいてきた。
「高嶺さん、最近すごく綺麗になったわね」
「えっ、そうですか?」
「ええ。内側から光が漏れているような……そんな感じ」
本橋さんは逃がさないと言わんばかりに、ニヤニヤしながら距離を詰める。
「ひょっとして、素敵なパートナーでもできたのかしら?」