恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで【完】
けれど、大輔の謝罪はどこか渋々といった様子で充輝はそこが許せなかった。
「……なあ、お前は是枝さんに利用されたことに納得がいってないのかもしれないけど――」
低い声で問い掛け、真っ直ぐに大輔を見据える。
「親父にどんな手を使えって言われようと、是枝さんから薬を貰ってそれを使うよう指示されても、お前の意思で止められただろ?」
「…………」
「来海に薬を盛るって選択をしたのはお前自身だろ? だったら潔く自分の非を認めろよ」
「…………っ」
大輔に反論の余地は無く、言葉を失い、そのまま俯く。
その沈黙を受けて是枝が静かに口を開いた。
「充輝様、向坂様」
そう言って手元の端末と記録媒体を取り出すと、
「こちらは、今回の件に関する全ての証拠を収めた映像と音声でございます。警察へ行かれる際は、こちらをお持ちください」
そう告げて、テーブルの上にそっと置いた。
その言葉に大輔の表情が強張る。
警察の話など聞かされていなかったのだろう。
何か言いかけるように口を開くも、
「……」
結局、何も言えずに閉じてしまう。
そして父親もまた黙ったまま。
ただ重く沈んだ空気だけがその場を満たしていた。
そんな中、充輝はゆっくりと手を伸ばして証拠の品を手に取ると隣に座る来海と視線を交わして来海が小さく頷く。
「……今回の件に関して、来海と話し合って…………警察へは行かないことにした」
「……!」
その言葉に三人の視線が一斉に充輝へと向く。
『警察へは行かない』という発言に驚きが隠せない様子だった。
「俺としてはすぐにでも突き出してやりたいけど…………来海が、今回のことを許す、大事にするのは違う気がするって言ったから……あくまでも俺はそれを尊重しただけ。だから、次は無い」
充輝の声が僅かに低くなり、
「この証拠は俺の手元に置いておく。もし次、俺や来海に何かすることがあれば――その時は、警察だけじゃない、これを全世界に配信するから、そのつもりで」
凍りつくような沈黙が落ちた。
父親も是枝も大輔も、誰一人として言葉を発せない。
そこへ、
「それと――今後について話がある」
更に充輝は言葉を重ねていった。
「……なあ、お前は是枝さんに利用されたことに納得がいってないのかもしれないけど――」
低い声で問い掛け、真っ直ぐに大輔を見据える。
「親父にどんな手を使えって言われようと、是枝さんから薬を貰ってそれを使うよう指示されても、お前の意思で止められただろ?」
「…………」
「来海に薬を盛るって選択をしたのはお前自身だろ? だったら潔く自分の非を認めろよ」
「…………っ」
大輔に反論の余地は無く、言葉を失い、そのまま俯く。
その沈黙を受けて是枝が静かに口を開いた。
「充輝様、向坂様」
そう言って手元の端末と記録媒体を取り出すと、
「こちらは、今回の件に関する全ての証拠を収めた映像と音声でございます。警察へ行かれる際は、こちらをお持ちください」
そう告げて、テーブルの上にそっと置いた。
その言葉に大輔の表情が強張る。
警察の話など聞かされていなかったのだろう。
何か言いかけるように口を開くも、
「……」
結局、何も言えずに閉じてしまう。
そして父親もまた黙ったまま。
ただ重く沈んだ空気だけがその場を満たしていた。
そんな中、充輝はゆっくりと手を伸ばして証拠の品を手に取ると隣に座る来海と視線を交わして来海が小さく頷く。
「……今回の件に関して、来海と話し合って…………警察へは行かないことにした」
「……!」
その言葉に三人の視線が一斉に充輝へと向く。
『警察へは行かない』という発言に驚きが隠せない様子だった。
「俺としてはすぐにでも突き出してやりたいけど…………来海が、今回のことを許す、大事にするのは違う気がするって言ったから……あくまでも俺はそれを尊重しただけ。だから、次は無い」
充輝の声が僅かに低くなり、
「この証拠は俺の手元に置いておく。もし次、俺や来海に何かすることがあれば――その時は、警察だけじゃない、これを全世界に配信するから、そのつもりで」
凍りつくような沈黙が落ちた。
父親も是枝も大輔も、誰一人として言葉を発せない。
そこへ、
「それと――今後について話がある」
更に充輝は言葉を重ねていった。