恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで
振り返る勇気は無いが、このまま自宅へ向かえば住まいを知られてしまう――その恐怖が来海の体を突き動かす。
来海は進路を変えると、一目散に自宅から少し離れたコンビニへと駆け込んだ。
店内に入り、自動ドアが閉まっても尚、背中に突き刺さるような気配が消えない。
明るい店内で来海は息を整えながら、レジ横から恐る恐る外を覗いた瞬間、泰斗の姿が視界に入る。
泰斗は入口付近に立ち、真っ直ぐ来海を見つめていた。
外へ出れば捕まるけれど、このまま店に居続ける訳にもいかない。
来海はその場から一歩も動けず、指先を震わせながらスマートフォンを握りしめた。
(約束……したものね……)
画面を見つめ、今いる場所と外に泰斗がいることをメッセージに打ち込むと、充輝に送信した。
すると、間髪入れずに着信を知らせるバイブが震え出した。
『向坂さん。聞こえる?』
その声を聞いた瞬間、来海の中で張り詰めていた糸がわずかに緩む。
「うん……聞こえる……」
『今すぐ向かうから、何があっても絶対に外に出ないで。俺が着くまで動かなくていいから。ね?』
「……分かった」
それだけ答えるのが精一杯で、電話が切れても来海はスマートフォンを握り締めたまま立ち尽くしていた。
それから十数分、コンビニの前に一台の車が止まり、ドアが開く音と同時に店内へ入ってきた充輝は周囲を一瞬で見渡して来海を見つけると迷いなく歩み寄った。
「怖かったよね。でも、もう大丈夫だから」
「ありがとう……、わざわざ来てもらって、ごめんなさい」
「謝らないで。何かあったらいつでも連絡してって言ったのは俺なんだから。」
来海と会話をしながら充輝は外へ鋭い視線を向けるも、泰斗の姿は確認出来なかった。
なかなか店から出て来ないこと、充輝が現れたことで来海との接触が不可能だと思い諦めたようだ。
視線を戻した充輝は静かに言った。
「……アイツは諦めて帰ったみたいだし、俺たちもここから出よう。大丈夫、車で来てるから安心して」
その言葉に来海は「守られている」と実感すると共に、充輝への信頼感がより一層強くなっていった。
来海は進路を変えると、一目散に自宅から少し離れたコンビニへと駆け込んだ。
店内に入り、自動ドアが閉まっても尚、背中に突き刺さるような気配が消えない。
明るい店内で来海は息を整えながら、レジ横から恐る恐る外を覗いた瞬間、泰斗の姿が視界に入る。
泰斗は入口付近に立ち、真っ直ぐ来海を見つめていた。
外へ出れば捕まるけれど、このまま店に居続ける訳にもいかない。
来海はその場から一歩も動けず、指先を震わせながらスマートフォンを握りしめた。
(約束……したものね……)
画面を見つめ、今いる場所と外に泰斗がいることをメッセージに打ち込むと、充輝に送信した。
すると、間髪入れずに着信を知らせるバイブが震え出した。
『向坂さん。聞こえる?』
その声を聞いた瞬間、来海の中で張り詰めていた糸がわずかに緩む。
「うん……聞こえる……」
『今すぐ向かうから、何があっても絶対に外に出ないで。俺が着くまで動かなくていいから。ね?』
「……分かった」
それだけ答えるのが精一杯で、電話が切れても来海はスマートフォンを握り締めたまま立ち尽くしていた。
それから十数分、コンビニの前に一台の車が止まり、ドアが開く音と同時に店内へ入ってきた充輝は周囲を一瞬で見渡して来海を見つけると迷いなく歩み寄った。
「怖かったよね。でも、もう大丈夫だから」
「ありがとう……、わざわざ来てもらって、ごめんなさい」
「謝らないで。何かあったらいつでも連絡してって言ったのは俺なんだから。」
来海と会話をしながら充輝は外へ鋭い視線を向けるも、泰斗の姿は確認出来なかった。
なかなか店から出て来ないこと、充輝が現れたことで来海との接触が不可能だと思い諦めたようだ。
視線を戻した充輝は静かに言った。
「……アイツは諦めて帰ったみたいだし、俺たちもここから出よう。大丈夫、車で来てるから安心して」
その言葉に来海は「守られている」と実感すると共に、充輝への信頼感がより一層強くなっていった。