恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで
リビングのローテーブルを挟み、向かい合って座る二人の間には言葉にならない気まずさが静かに流れていく。
その沈黙を破ったのは充輝だった。
「あの……エマとの噂、聞いたよね?」
「……うん」
「あれは違うんだ。エマが具合悪いって言ってて、タクシーにも乗れそうになかったから……少し先の公園で休もうとしただけで」
必死に説明する充輝の言葉に嘘はなかった。
あの日立ち寄った居酒屋からホテル街を抜けた先に噴水公園があることを来海は知っているし、何より、充輝の誠実さをよく分かっていたから。
「分かってるよ。羽柴くんが、そういう人じゃないって」
「……本当に?」
「うん」
「そっか……良かった……」
安堵の表情を浮かべた充輝は真っ直ぐに来海を見つめた。
「あのさ……エマは今回の噂について、向坂さんに何か言ったりした?」
その問いに来海は一瞬だけ言葉を選ぶように視線を落とす。
「……エマさんね、噂には困ってる様子だったよ。自分のせいで、羽柴くんに迷惑を掛けて申し訳なさそうだった」
「……うん」
「でも……羽柴くんと噂になるなら、それでも構わない……って、そんなことも、言ってたよ」
少しだけ声のトーンを落として告げられたその言葉は、例えどんなに鈍感な人間にでも何を意味しているかくらい分かるだろう。
聞いた充輝は何とも言えない様子を浮かべて黙り込んだ。
その沈黙を破ったのは充輝だった。
「あの……エマとの噂、聞いたよね?」
「……うん」
「あれは違うんだ。エマが具合悪いって言ってて、タクシーにも乗れそうになかったから……少し先の公園で休もうとしただけで」
必死に説明する充輝の言葉に嘘はなかった。
あの日立ち寄った居酒屋からホテル街を抜けた先に噴水公園があることを来海は知っているし、何より、充輝の誠実さをよく分かっていたから。
「分かってるよ。羽柴くんが、そういう人じゃないって」
「……本当に?」
「うん」
「そっか……良かった……」
安堵の表情を浮かべた充輝は真っ直ぐに来海を見つめた。
「あのさ……エマは今回の噂について、向坂さんに何か言ったりした?」
その問いに来海は一瞬だけ言葉を選ぶように視線を落とす。
「……エマさんね、噂には困ってる様子だったよ。自分のせいで、羽柴くんに迷惑を掛けて申し訳なさそうだった」
「……うん」
「でも……羽柴くんと噂になるなら、それでも構わない……って、そんなことも、言ってたよ」
少しだけ声のトーンを落として告げられたその言葉は、例えどんなに鈍感な人間にでも何を意味しているかくらい分かるだろう。
聞いた充輝は何とも言えない様子を浮かべて黙り込んだ。