Before Dawn.


無事助け出された依織は息を切らしながら慎と一緒にこちらへやって来た。



「すごく面白かったです」

「演劇じゃねぇんだよクソ女」

「え何?流血する演出が必要だったりする?」

「…ッチ」



斜め前に座った依織は缶ビールをグイッと飲み干して2階へと階段を登って行った。

本当、からかいがいのある奴だ。



「明日が1番楽しみだな」

「確かに」

「明日と言えば、」



さっきの話の続き、と慎は自分のスマホの画面を私に見せてきた。



「初詣、行く?」

「わ、いいね。初詣」

「なんか出店も出てるみたいだし」



近くにある神社のサイトや去年の出店の動画を見せてくる慎。



「…なに?どした?」

「ううん。私焼きそば食べたいかも」

「分かる。てか甘酒飲みたい」



私の為に色々調べてくれている、という事だけでもただただ嬉しくて愛おしくて。

私も依織の後輩程では無いが、お正月の雰囲気に呑まれているのかもしれないと思った。


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