Before Dawn.


───── 2月11日、23時。




簡潔に言うと、あれから乱鴉の襲撃は無かった。
読み通りというかなんというか、アイツらの考えは私の読み通りというのが後の集会で定まった。

由良達のお陰で乱鴉の足取りをなんとなくだが掴めており、ここ最近またコソコソとし出していた。



「1時間切ったな」

「そろそろだと思うけど」

「本当に今日なのかよ。お前の誕生日は明日だろ?」

「誕生日に勝ち取るって算段なんでしょ」

「…なるほど、」

「……ていうか、分かってんのかねぇコイツらは」



私の誕生日の前夜祭だなんだと、酒盛りを始めている。
楽しい事が好きなのはいい事だろうが、もっと危機感を持ってほしい。



「暗い顔してたってしょうがないでしょ。これで来なかったら、せっかくの雨音の誕生日が台無しになるって皆言ってたよ?」

「慎」

「でもさ…、」

「それに、あれは酒じゃなくて…」



突如聞こえたバイクを吹かす音。
それも、大量の。

真っ黒でまるで鴉のような集団、乱鴉。




「よぉ、雨音チャン。お久しぶりだな」




その声を辿るように私達の視線はそちらへ動いた。


真っ黒な服に対し頭はカラフルでなんともメルヘンチック。
その手にはバットやら鉄パイプを持っていてあからさまに治安が悪いけれど。



「気安く名前呼ばないでよ。汚れるでしょ」



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