愚かな婚約者様、あなたの"浮気相手"は私の味方ですよ? 〜手を組んだ2人の才女による華麗なる制裁〜
18、エルベルトとの夕食とその後
それからしばらく後。ついに夕食の時間となった。
夕食の席はとても豪華で、コルディエ侯爵家の者たちがエルベルトに感謝を伝え、さらに歓迎を意を示す和やかなものになる。
食事は口に合ったようで、エルベルトもリラックスして楽しそうだ。
「エルベルト様、お好きなだけこの屋敷にご滞在ください」
「ありがとう。本日は本当に素晴らしい夜となった。明日からもよろしく頼む」
最後にコルディエ侯爵とエルベルトがそんな会話をして、エルベルトが最初に食堂を退席した。これで本日の夕食会は終了だ。
次に席を立つのは侯爵なのだが、その前に侯爵は口を開いた。
「礼の品は必要ないと仰られたが、本当に良いのだろうか」
カトリーヌを助けてもらった礼を渡そうと思っていたが、エルベルトはしばらく屋敷に滞在させてもらうこと、さらに魔道具について教えてもらうことがすでに大きな礼だからと遠慮したのだ。
あまり強く受け取って欲しいと言うこともできず、侯爵は頷く形になった。
「でも、あまりしつこいのも失礼ですわ」
侯爵夫人の意見に、侯爵は神妙な面持ちで頷く。カトリーヌの兄も夫人の意見に賛成した。
「滞在されている間のもてなしで、礼の気持ちを表せば良いのではないですか?」
「確かにそうか……カトリーヌもそれで良いと思うか?」
「はい。ただわたしの方でも、ちゃんと魔道具についてお話しすることがお礼となるように頑張ります」
「そうだな。何か必要な素材などがあればすぐに言ってくれ。準備しよう」
侯爵のその言葉はとても嬉しくて頼もしかった。
「お父様、ありがとうございます」
カトリーヌが頭を下げたところで、納得したらしい侯爵が腰を上げかけて、何かを思い出したのかまた座り直す。
真剣な表情で人払いをすると、家族だけとなった食堂で口を開いた。
「皆に情報共有しておくことがある。今回コレットが考えてくれた作戦を遂行するにあたって情報を集めたのだが、最近はやっとセドリック殿下が王の器ではないかもしれない。王弟殿下の方が良いのではないかという意見がちらほら現れているようだ」
婚約破棄をしてもらう作戦のことは、侯爵とカトリーヌ以外の家族にも共有されている。今では皆が一致団結して、カトリーヌの幸せを手に入れようとしているところだ。
そしてカトリーヌを説得してくれて、侯爵家の立場も悪くならないだろう作戦を考えて実行してくれているコレットには、全員が深い感謝を抱いていた。
コレットにどんなお礼をすればいいかと、今から悩んでいるほどだ。
「セドリック殿下が全く矯正されない現状に、陛下への不満を抱いている者もいるらしい」
今まではまだセドリックが子供と言える年齢だったこともあり、成長すればしっかりしてくれると楽観視していた貴族も多かったのだ。
しかしカトリーヌと同い年であるセドリックは、もう十八歳である。さすがに楽観視できる年齢ではなくなっていた。
「そんな状況であるため、作戦が成功すれば、セドリックが失脚する流れになる可能性が高い。私はもう少しこの流れを強くできるように工作をしておく。せっかくの機会を、貴族たちの反発で有耶無耶にはしたくないからな。ただ陛下の動きが未知数だ。さすがに懸命なご判断をされると思うが……確実にとまでは言えない」
いくらセドリックが特大のやらかしをしたとしても、権力でねじ伏せられてしまうこともあるのが王政であり貴族という身分なのだ。
それをよく分かっている侯爵は慎重だ。そしてカトリーヌにとっては、とても心強かった。
「お父様、ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
カトリーヌが侯爵に向かって頭を下げ、家族会議は終わりとなった。
皆が頑張っている中で、一番の当事者であるカトリーヌはあまり役に立てていない。その状況を歯痒く思いつつも、カトリーヌは今自分にできることを精一杯頑張ろうと、エルベルトへの対応を完璧にするために気合を入れた。
夕食の席はとても豪華で、コルディエ侯爵家の者たちがエルベルトに感謝を伝え、さらに歓迎を意を示す和やかなものになる。
食事は口に合ったようで、エルベルトもリラックスして楽しそうだ。
「エルベルト様、お好きなだけこの屋敷にご滞在ください」
「ありがとう。本日は本当に素晴らしい夜となった。明日からもよろしく頼む」
最後にコルディエ侯爵とエルベルトがそんな会話をして、エルベルトが最初に食堂を退席した。これで本日の夕食会は終了だ。
次に席を立つのは侯爵なのだが、その前に侯爵は口を開いた。
「礼の品は必要ないと仰られたが、本当に良いのだろうか」
カトリーヌを助けてもらった礼を渡そうと思っていたが、エルベルトはしばらく屋敷に滞在させてもらうこと、さらに魔道具について教えてもらうことがすでに大きな礼だからと遠慮したのだ。
あまり強く受け取って欲しいと言うこともできず、侯爵は頷く形になった。
「でも、あまりしつこいのも失礼ですわ」
侯爵夫人の意見に、侯爵は神妙な面持ちで頷く。カトリーヌの兄も夫人の意見に賛成した。
「滞在されている間のもてなしで、礼の気持ちを表せば良いのではないですか?」
「確かにそうか……カトリーヌもそれで良いと思うか?」
「はい。ただわたしの方でも、ちゃんと魔道具についてお話しすることがお礼となるように頑張ります」
「そうだな。何か必要な素材などがあればすぐに言ってくれ。準備しよう」
侯爵のその言葉はとても嬉しくて頼もしかった。
「お父様、ありがとうございます」
カトリーヌが頭を下げたところで、納得したらしい侯爵が腰を上げかけて、何かを思い出したのかまた座り直す。
真剣な表情で人払いをすると、家族だけとなった食堂で口を開いた。
「皆に情報共有しておくことがある。今回コレットが考えてくれた作戦を遂行するにあたって情報を集めたのだが、最近はやっとセドリック殿下が王の器ではないかもしれない。王弟殿下の方が良いのではないかという意見がちらほら現れているようだ」
婚約破棄をしてもらう作戦のことは、侯爵とカトリーヌ以外の家族にも共有されている。今では皆が一致団結して、カトリーヌの幸せを手に入れようとしているところだ。
そしてカトリーヌを説得してくれて、侯爵家の立場も悪くならないだろう作戦を考えて実行してくれているコレットには、全員が深い感謝を抱いていた。
コレットにどんなお礼をすればいいかと、今から悩んでいるほどだ。
「セドリック殿下が全く矯正されない現状に、陛下への不満を抱いている者もいるらしい」
今まではまだセドリックが子供と言える年齢だったこともあり、成長すればしっかりしてくれると楽観視していた貴族も多かったのだ。
しかしカトリーヌと同い年であるセドリックは、もう十八歳である。さすがに楽観視できる年齢ではなくなっていた。
「そんな状況であるため、作戦が成功すれば、セドリックが失脚する流れになる可能性が高い。私はもう少しこの流れを強くできるように工作をしておく。せっかくの機会を、貴族たちの反発で有耶無耶にはしたくないからな。ただ陛下の動きが未知数だ。さすがに懸命なご判断をされると思うが……確実にとまでは言えない」
いくらセドリックが特大のやらかしをしたとしても、権力でねじ伏せられてしまうこともあるのが王政であり貴族という身分なのだ。
それをよく分かっている侯爵は慎重だ。そしてカトリーヌにとっては、とても心強かった。
「お父様、ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
カトリーヌが侯爵に向かって頭を下げ、家族会議は終わりとなった。
皆が頑張っている中で、一番の当事者であるカトリーヌはあまり役に立てていない。その状況を歯痒く思いつつも、カトリーヌは今自分にできることを精一杯頑張ろうと、エルベルトへの対応を完璧にするために気合を入れた。