海姫物語
☆☆☆

今日も月と星がキレイな夜だった。
満点の星空はいつ見ても飽きることがない。
だけど姫奈はそれらに目もくれず浜辺へと泳いだ。
自在に体をくねらせて波も味方につけて泳ぐ様子は本物の人魚姫のようだ。
そうして岩場までやってきた姫奈は、昨日と同じように岩の影から浜辺の様子を観察した。
昨日はにぎやかだったけれど、今日の浜辺は人の気配を感じない。
手持ち花火の光も見えなかった。
大輝は本当に自分を待っているんだろうか?
もしかしてからかわれた?
そう思うと胸の奥がギュッと苦しくなる。
来るんじゃなかったという後悔が湧き上がりそうになったとき……。
「姫奈」
< 46 / 136 >

この作品をシェア

pagetop