海姫物語
だけどこれはそのどちらとも違う。
胸の奥からジンジンとうずくような熱を感じて姫奈はとまどった。
この感情をなんて呼ぶんだろう?
とまどったまま視線をさまよわせている姫奈からそっと身を離した大輝が、すぐにまた近づいてきた。
その顔が目の前にあり、姫奈の唇に暖かくて柔らかい唇が押し当てられていたのだ。
「潮っ辛いな」
身を離した大輝が自分の唇をなめて言う。
姫奈もつられて同じ行動を取っていた。
舌の上にピリピリと刺激的な潮の味が残った。

☆☆☆

初めてのキスを経験した翌日はさすがに寝坊してしまった。
その前の日からよく眠れなかったこともあり、ベッドから起き出すことができなかったのだ。
< 49 / 136 >

この作品をシェア

pagetop