海姫物語
エリクの言葉に少しだけ安心する。
だけどエリクが昨日のことを告げ口するとは思っていなかった。
そんなことをすれば、ふたりの大切な抜け穴についてもバレてしまうことになる。
そうなれば両親からの監視は更に厳しくなってしまうだろう。
「大輝のところに言ったの」
姫奈は勇気を振り絞って昨日の出来事をぽつぽつと話し始めた。
男の名前を聞いたときのエリクは苦いものを食べたような顔をしてうつむいたけれど、途中で話の腰をおるようなことはしなかった。
「それから大輝に助けられて、大輝がお世話になっている民泊へ行ったの」
大輝のことが好きだった。
だけどあんなことを求められるなんて思ってもいなかった。
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