海姫物語
「もうひとりでは海に出るなよ?」
そう言われて姫奈は小さく頷いた。
そうだ。
元はと言えば自分がひとりで海に出て、花火に魅了されて近づいてしまったことが原因だ。
これは自業自得の出来事だったんだ。
大輝ばかりを攻めてはいけないと気が付き、ハッとする。
「そうだね。もうやめとく」
「よし、話をして少しは元気になったか?」
「うん。聞いてくれてありがとう」
姫奈の顔にようやく笑顔が浮かんだ。
やっぱり自分の居場所はここだという安心感が胸に膨らんでいく。
「じゃあ昼を食べに行こう。俺まだ食べてないんだ」
エリクに促されて姫奈も同じように立ち上がる。
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