海姫物語
男の右手にはスマホが握られていて、施設内の様子を撮影しているらしい。
「大輝!?」
姫奈が悲鳴に似た声を上げる。
スマホを持っている大輝がそれに気がついて視線を向けてきた。
そして楽しげに笑う。
「やぁ姫奈。と、君は誰かな?」
大輝は当たり前のようにふたりにもスマホを向ける。
エリクが守るように姫奈の前に立った。
「俺はエリク」
「へぇ! 目が青いと思ったら外人さん?」
その質問には答えなかった。
ジッと大輝をにらみつける。
「どうやってここに入ったんだ」
「簡単だったよ。姫奈ちゃんが教えてくれたからね」
エリクが振り向くと姫奈は左右に首を振った。
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