海姫物語
低い声で言ったのはエリクの父親だった。
その目は釣り上がり、今までに見たことのない怒りを顕にしている。
「おっと、それは無理だよおじさん? だって俺この施設のこと随分撮影してるよ?」
そう言って大輝が動画を再生して父親たちに見せている。
ふたりの表情がより険しくなり、姫奈の父親の顔がサッと青ざめた。
「俺が侵入したのが偶然研究室の隣だったんだ。人工エラなんて研究してるんだな、あんたたち」
大輝の言葉に姫奈は目を見開いた。
すでにそこまでわかっているなんて!
なにも知らないまま姫奈についてきて侵入したのではないことがわかり、背筋がゾクッと寒くなる。
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