海姫物語
「昨日そこにいる姫奈ちゃんといい思いをしたんだけど、そのときに気がついたんだ。鼻の奥に蛇腹状のものがあるってさ」
エリクの言葉にこの場にいた全員が目を見開いた。
姫奈は咄嗟に言い訳をしようと口を開いたけれど、なにも言えないまま口を閉じてしまった。
すべては自分が招いたことで間違いはない。
言い訳なんてできる立場じゃなかった。
「普通そんなもんが鼻の中に入ってたら違和感があるよな。でも姫奈ちゃんは普通だった。それに俺たちが会う時は姫奈ちゃんはいつも海からやってきた。最初は本当に人魚姫みたいだと思ってドキドキしたんだぜ? でも違う。これは作られた人間だって気がついたんだ」
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