海姫物語
許されるよりも、責められたほうが楽なときもある。
「金? それならここに沢山あるじゃないか」
「どういう意味だ」
エリクの父親が緊張した声で聞き返している。
「この研究そのものを俺にくれれば、もう1円もいらないって意味だよ」
「そんなことできるわけがないだろう!」
姫奈の父親が叫ぶ。
だけど大輝は動じなかった。
「それなら動画をばらまくだけだ。お前たちは自分の子供で人体実験をしてたんだ。もう二度と愛する我が子と会えなくなることを覚悟するんだな」
「エリク!」
このままじゃまずい。
姫奈が青い顔をしてエリクを見つめた。
だけどドアの前に大輝がいるから出ていくこともできない。
< 96 / 136 >

この作品をシェア

pagetop