氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
約束の一時間後、沢渡先生は本当に警察署に来た。

黒いコートに、無駄のない歩き方。
フロアに入った瞬間、何人かの刑事が顔を上げた。
空気が少しだけ張る。

氷の法医学者。
その呼び名が、声にならずに広がるのがわかった。

沢渡先生は周囲を見ない。
視線はまっすぐ、私の手元の資料だけに向いている。

「資料は」

「こちらです」
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