氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
受付の女性は、警察手帳を見ると表情を固くした。
当然だ。
医療機関に警察が来れば、何かがあったと思う。
「院長先生にお話を伺いたいのですが」
「院長は現在、往診に出ております」
「戻りは?」
「一時間ほどで……」
女性の視線が、沢渡先生に移る。
白衣ではないのに、医師だとわかる雰囲気があるのだろうか。
沢渡先生は余計なことを言わず、静かに立っている。
「訪問看護師の橘美里さんはいらっしゃいますか」
受付の女性の表情が、さらに変わった。
「橘ですか」
「はい」
「少々お待ちください」
奥へ消える。
待合室には、古い雑誌と、季節の花が飾られていた。
壁には、在宅医療の案内ポスター。
穏やかな老後。
住み慣れた家で過ごす時間。
その言葉が、今は少し怖い。
「今井」
沢渡先生が低く呼んだ。
「はい」
「受付の反応を見たか」
「橘さんの名前で動揺しました」
「決めつけるな。動揺に見えただけだ」
「……はい」
「だが、反応は記録しておけ」
私は小さく頷いた。
当然だ。
医療機関に警察が来れば、何かがあったと思う。
「院長先生にお話を伺いたいのですが」
「院長は現在、往診に出ております」
「戻りは?」
「一時間ほどで……」
女性の視線が、沢渡先生に移る。
白衣ではないのに、医師だとわかる雰囲気があるのだろうか。
沢渡先生は余計なことを言わず、静かに立っている。
「訪問看護師の橘美里さんはいらっしゃいますか」
受付の女性の表情が、さらに変わった。
「橘ですか」
「はい」
「少々お待ちください」
奥へ消える。
待合室には、古い雑誌と、季節の花が飾られていた。
壁には、在宅医療の案内ポスター。
穏やかな老後。
住み慣れた家で過ごす時間。
その言葉が、今は少し怖い。
「今井」
沢渡先生が低く呼んだ。
「はい」
「受付の反応を見たか」
「橘さんの名前で動揺しました」
「決めつけるな。動揺に見えただけだ」
「……はい」
「だが、反応は記録しておけ」
私は小さく頷いた。