氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
「ま、協力してくれるなら助かる。あの人、嫌なことは本当に嫌って言うからな」

「はい」

「ただし、振り回されるなよ。沢渡先生は、味方にすると頼もしいけど、身内にも平気で刃物みたいなこと言う」

「もう言われました」

「早いな」

真鍋先輩が笑う。
私は笑えなかった。

言いふらすつもりなんて、最初からなかった。

誰かに話して、沢渡先生を貶めたいわけじゃない。
笑いものにしたいわけでもない。
ただ、事件を止めたかった。
三人の死を、不自然なまま終わらせたくなかった。

それでも。
秘密を守るつもりでいることと、秘密を利用した事実は、別のものだった。

「今井?」

「大丈夫です。資料、整理します」

私は自分の席へ戻り、ファイルを開いた。
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