氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
そのとき、私は藤堂誠司さんの妻の証言を思い出し、メモを見返した。

『来たのは誰ですか』

『院長先生ではありません。女性でした。たぶん、看護師さんか事務の方か……玄関先で少し話して、すぐ帰られました』

『名前は聞きましたか』

『すみません、聞いてません』

『顔は見ましたか』

『いいえ。顔は見えなかったので』

胸の中で引っかかりを覚える。

女性。
看護師か事務。
顔は見ていない。
名前も聞いていない。

藤堂さんに封筒を渡した人物。
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