氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
病院の救急処置室で、傷の洗浄と処置が行われた。

幸い、深い傷ではなかった。
医師は「数日は無理をしないこと」と言い、必要な処置をしてくれた。

その間、沢渡先生はずっとそばにいた。

処置そのものは医師と看護師が行ったため、先生が直接手を出す必要はなかった。けれど、私の意識確認や状態の説明には、誰よりも先に反応した。

いつもの無表情に戻ろうとしている。
でも、疲れているのがわかった。

背筋はまっすぐ。
声も、ほとんど戻っている。
けれど、右手が時折、無意識に握られては開かれる。
指先がまだ微かに震えている。

それを見るたび、胸が痛んだ。
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