私、王子様に独占されたい。
第二話 はじめてのきもち 蓮side
さ、開けてみるか。
㊵
うおーーーーーっ
最高の席!
何しても、ばれない☆
「蓮ーーーどこ!?」
「隣かな…!?」
「蓮、、、」
「40番だよー」
キャァァァァァ!!
女子の叫び声。
うるせえよって、若干ね?思うけど。
俺は人気者でいたいから。
ふふふっていつも笑う。
ーーー机移動ーーー
…え、
この髪形、身長、声、、、
しみずさん、、、?
ええいっ
「よろしくねっ!」
声が上ずったかも…
「うん、よろしくお願いしますっ!」
か、かわいい・・・
ううん、うそうそ
なんだろうこの気持ち。
これまでさんざん女子としゃべってきたけど、はじめての気持ち。
話せないほど胸が鼓動を打っている。
ざわざわと教室が騒がしい。
女子たちは楽しそうにキャーキャー言っているけど、俺はそれどころじゃなかった。
目の前に、机に座る日和――清水日和。
今まで何度もクラスで見てきたけど、こんなに意識したことはない。
ちょっと緊張してるのか、肩が少し丸まっている。
「清水さん、だよね?」
思わず声が出た。
心臓が跳ねる。なんでこんなにドキドキするんだ。
「う、うん……」
……小さい声だけど、返事してくれた。
顔が赤くなってないか、ついチラッと見てしまう。
「俺、月岡 蓮。よろしく」
少し優しく、いつもより落ち着いた声で言ったつもりだった。
それだけで胸が少し苦しくなる。
「よ、よろしくお願いします……」
声が上ずっているのが分かる。
可愛い……いや、うまく言えないけど、なんだこの胸の高鳴り。
沈黙が一瞬訪れる。
ちょっと気まずいな、と思ったけど、笑ってごまかす。
「緊張してる?」
「……ちょっとだけ」
正直に答えると、日和はほんの少し笑ったみたいだった。
……可愛い。
「俺も、最初こういうの苦手なんだ」
え?
人気者の俺が?
みんなと話すの得意そうに見えるだろうに。
その意外な一言に、思わず吹き出しそうになる。
「意外、って顔してる」
「す、すみません……」
「はは。よく言われる」
頭をかく仕草まで可愛い。ずるい。
一個、聞きたいことがある。
だけど、どう聞けばいいんだろう。
「清水さんは、どんな人?」
勇気を出していってみる。
「えっと……静かなの、好きです……」
小さな声で言われると、心臓がさらに跳ねる。
ああ、この感覚……今までになかった。
「いいじゃん。静かな人、俺好きだよ」
つい即答してしまった。
日和の頬が少し赤くなるのが見える。
「……あ、友達として、ね」
慌てて付け足す。
いや、分かってる。
でも、どうしてか、胸がドキドキして止まらない。
―――
この短いやり取りが、俺の高校生活にも、大きな変化を起こすことになる――。