麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

 ひどく切なげに言われて、胸がぎゅっと掴まれる。
 攫われたのはこちらなのに、なんだかモモネリアが悪いことをした気になってくるではないか。



 ....りんご、落としちゃったのかな。

 ....みんな心配してる?

 ....ううん、心配なんてしてないわね。りんごが食べられなくて、腹を立てているくらいかしら。

 ....今日は、ついてないわ。家族のあんな話を聞いてしまって。おまけに、攫われちゃうなんて。

 ....私、これからどうなるの?




 モモネリアの白い頬を、涙が一筋流れる。
 もう何も考えたくなくて、モモネリアは目を閉じた。
 こんな状況なのに、疲れていたのだろう。


 すぐに眠気が襲ってきて、モモネリアは夢の中に落ちていったーー。


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