麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「っ!!ローネル、大丈夫?........リード。やっぱりこの子が心配だよ。せめて体調が戻るまで、一緒に連れて行ってあげられないかな?」
純粋にローネルのことを気にかけているだけなのは理解しているが、他の者にモモネリアの関心が向けられていることが耐えがたい。
それでも、そんな潤んだ瞳で見られては。
上目遣いでお願いされては。
「ぐっ.....はぁ。わかった。体調が戻るまでなら」
リードネストは、愛する番の願いを全て叶えたくなってしまう。
例え、自分の独占欲と嫉妬心を掻き立てられる願いであっても......。
どこまでも、リードネストはモモネリアに弱いのだ。
目的地に到着後、また復路でも同じ道を通る。
........その時に、あいつを元の場所におろしてやればいいだろう。
「いいの!?ありがとう、リード!」
ぱぁっと表情を明るくして、お礼を言うモモネリアを心底可愛いと思い、口元が緩んだ。
内心モヤモヤするが、やはりモモネリアが喜ぶのは嬉しい。
そう思い願いを聞き入れて良かったと感じた瞬間ーーーー。
「やった!モモネリア、これで一緒にいられるね」
モモネリアの掌で飛び起きて、彼女の細い指に抱きつき、滑らかな白い肌に「ちゅっ」と口付けたローネルを見て、また苛立ちが再燃する。
思わずリードネストは、笑顔で見つめ合う二人の間に入るためローネルの首根っこを指でつかんで、つまみあげた。