麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

 それから、三人で馬車に戻り乗り込んだ。




 馬車の中では、ローネルとモモネリアの間にリードネストが腰掛けた。




 リードネストはローネルに背を向け、反対側にいるモモネリアをベッタリと抱き込んで離さなかった。





 モモネリアも嬉しそうに、抱きつくリードネストの三角耳や髪の毛を撫でている。




 ポツンとひとりのローネルは終始口を尖らせ不満顔だった。




 それもそのはず。




 隣で二人の世界に浸るだけでなく、ローネルに背を向けるリードネストの尻尾がバタンバタンと大きく上下に振られているのだ。




 おかげで、小さなローネルは何度もふさふさの尻尾の下敷きになり、「うぐぅ」と変な声まで出る始末だ。




 これは、嫌がらせか?




 ローネルは、なるべくリードネストの尻尾から離れようと身体を小さくして壁際まで移動したのだった。







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