麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「.......ぼく?あ、なた......男の子、だったの?」
ゆるゆると目を見開き、震える声で聞くモモネリア。
「.......そうだよ。騙して、ごめんね。でも、確かに君のそばにいるのに都合がいいから黙っていたけど。僕の口からは一度も女だとは言ってないよ。偶然だけど、モモネリアが、僕のことを女の子だと思ってくれて助かったよ」
彼は伏せていた視線を、モモネリアに合わせる。
「もちろん、リードは気づいていたみたいだけどね」
「.......え」
「君が僕のことを男だと認識した状態で、僕にそばに居られるよりも、女の子だと思っててくれたほうがまだそばにいることを許せたんじゃない?」
「.........」
そう言われれば、初めからリードネストの反応は、なんだかおかしなものだった。
あれは、ローネルを男の子だとわかっていたからだったのか。
わかっていたのに、黙っていた理由も何となく納得がいく。
「あ、リードのことを考えるのはなしだよ。これからは、僕のことだけ考えて」
スッと音もなくモモネリアの顔の目の前まで近づき、綺麗な顔が覗き込む。
今は、怪しげな危うい空気を連れて。
「........ローネル、どうして?......どうしてこんなことをするの?.......私を、どうするの?」
危険を感じ、声が上ずる。