麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜


 しばらく何事もなく過ぎ、二人は予定通り結婚した。



 それからもカレンの見た予知夢は、暗黙の了解みたいにどちらも話題に出すことはなく、二年が過ぎた。




 幸せだった。




 どんなことがあっても、苦しい時でも、隣にお互いがいることこそが二人の幸せだった。




 二人は、お互い何でも話した。



 お互いのことで知らないことなど存在しないほどに。




 ただひとつ、あの日見た、カレンの予知夢の話をのぞいて....。





 お互いが隣にいられなくなる日が来るかもしれないーーーー。





 それは、二人にとって何よりも恐怖で、現実になることを避けたいものだった。





 口に出すことさえ嫌で、二人は逃げていたのだーーーー。




 
 それを激しく後悔することなど、目に見えていたはずなのに.....。

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