麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
自然の中でいきいきと生きる動物たちが好きで、連れて帰りたいなど思ったことがないモモネリア。
それなのに、ローネルは出会った時から放っておけなくて、あろうことか離れたくない連れて帰りたいと思ってしまった。
そして、お願いされると何故か断れなくて何でもお願いをきいてあげたくなった。
さっきは、突然変わったローネルの声に、疑問をもちながら何故か安心感を覚えた。
何か術をかけていたのかと一瞬思ったが、もしかしたら自分の中にあるカレンの.....ローネルの番の魂の想いから来る感情だったのかもしれない。
そう考えると、何だかしっくりくるのだ。
記憶はない。
ただ、自分の中に得体の知れぬ懐かしさや好意のようなものは感じる。
「......覚えていない、の。......でも、あなたに対して初めて会った時から何か感じるものがあったのは事実だわ。.....なんだか腑に落ちた気がする。......私の中には、『カレン』の魂が宿っているのね」
「......信じてくれるんだね」
愛おしげに細められていた目がぱっと開き、ローネルの表情が、明るさを増した。
「えぇ、信じるわ」
「良かった....。君も、僕に縁を感じてくれていたのは嬉しいよ。君の中の.....“カレンの魂“は僕に反応している.....と考えてもいいの、かな」
「......えぇ、きっとそうね」
素直に、心と身体が感じるままに、私は頷いた。
「......ありがとう。.......じゃぁ、僕と.......一緒に来てくれるよね?」
「.........え?」