麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
17. 幸せを願って。〜ローネルの呟き〜
リードネストとモモネリアの結婚式まで、残すところ数日とせまったある日ーーー。
モモネリアはリードネストとローネルと、邸の庭でピクニックをしていた。
モモネリアの好きなイチゴのタルト、クッキー、カップケーキ、それから色とりどりの季節の果物。
リードネストがモモネリアのためにブレンドしてくれた新作の紅茶も、とてもとてもおいしい。
あぁ......幸せだ、とモモネリアが目を細め視線をあげると、目の前には自分をうっとりと蕩けた表情で見つめる婚約者とニコニコ愛らしく笑んだ“親友“。
「ほーんと、モモネリアは紅茶と甘いものが好きだよね」
犬でありながら、椅子の上にきちんとお座りをして、ローネルが機嫌良さげに話しかける。
「ふふ、えぇ。とっても好きよ。ローネルは好きじゃない?」
「んー.....僕はモモネリアが嬉しそうに頬張る姿の方が癒されるし、好きだなぁ」
「.........黙れ、それ以上見るな。可愛いモモネリアがけがされる」
さっと、威嚇の牙をむき、モモネリアを自身に隠すように抱きすくめるリードネストにモモネリアはくすくす笑った。
「もう.....大丈夫よ。リード。お菓子が食べられないわ」
「むぅ.......しかし」
「狭量だなぁ。モモネリアの婚約者様は。もう僕は犬で、モモネリアの親友なんだから、心配なんていらないのに」
からかい混じりにバカにされて、リードネストはピキリと青筋を立てる。