麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「あぁ、ダメだ。こんな可愛いモモネリアを他の奴らの目に晒せない。部屋に戻ろう」
「えぇっ!ちょっ、リード?......僕は?ねぇ、モモネリア?.....お茶は?ケーキは?」
「部屋に持ってこさせる」
まだ、お茶を初めて5分ほどしか経っていない。
制限が厳しくて、なかなかゆっくりできない親友とやっとお茶できたというのに、もう帰るのかとローネルは必死で止めた。
しかし、制止もむなしく、リードネストはモモネリアを抱き上げて颯爽と部屋に戻って行った。
「ちぇっ!!バカップルめ.......」
どこに向ければいいのかわからない感情を、独り言で吐き出してみる。
......ふふっ.......まぁ、こんなのも悪くない。
強制的に終了されたお茶会に、イライラしていたはずなのに、自分の愛する親友が幸せそうに笑う姿が思い出されて、胸の中はもう晴れやかだった。
ローネルは、一人きりになった庭で、あの日のことを思い出す。
****