麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「.......ねぇ、リード?.....その、あのね?」
モモネリアが、手をもじもじさせて上目遣いでおずおずと話しかけてくる。
........可愛い。......非常に可愛い。できることなら、今すぐ襲い掛かりたい。
何かおねだりしたいことが有るのだろうか。
この愛らしい上目遣いも、本当に無意識にしているのだろう。
なんと罪深き、我が番。
自分をどこまで虜にするつもりなのか。
その可愛い姿だけで、トロンと目尻がさがって、崩れかける顔を、なんとかとどめる。
ほとんど反射的に、モモネリアの細い柔らかな腰を引き寄せた。
身体を密着させると、いつも自分を誘う花の蜜のような、嗅ぐだけで惚けてしまう香りが鼻をくすぐる。
モモネリアの、優しく、甘い、心地のいいにおい。
「ん?どうした、モモネリア?」
自分でも驚くほど、蕩けた声が出る。
モモネリアだけに発せられる、耳から溶けそうなほど甘い声音だ。
「.......ローネルを、もっとここに居させてあげることはできない?」
「...........」
「...........だめ?」
ぎゅっと、服のすそを小さな手でつかまれ、うるうると瞳を揺らしておねだりされると.........抗えない。
「.......いいよ。ローネルはあと二時間、ここにいてもいい。許可をだす」
「 本当!?」
パッと目を見開き笑顔を見せる番が、実に可愛い。
.......が、おもしろくはない。
「.......その代わり」
リードネストは、ぐいっと彼女の腰を抱く手に力を込め、掴んだ。
モモネリアの身体が、ふわっと持ち上がる。
ストン。