麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜


「........へ?」


 ピキリと音が聞こえそうなほど、固まるモモネリア。

 なぜか、リードネストの腿の上に、彼を股ぐかたちで向かい合って座らされていた。

「ローネルがいる間、このままで居てくれるなら、な?もちろん、モモネリアの小さな口に食べ物を運ぶのも俺だ」

 
 リードネストは、なんだか悪い笑みを浮かべて、モモネリアを見下ろしていた。

 固まっていたモモネリアが、ハッとして身じろぎした。

「な、な、な、なんで!?.....こんな格好....は、はずかしいわっ」


 真っ赤な顔で、抵抗する番を、さらに笑みを深めて見つめる。


「ん。かわい」


 耐えきれずに、さくらんぼみたいに潤う唇のすぐそばに、軽く口付けた。

「ふっ。......なんでって。当たり前だろ?自分以外の者にお前の関心が向いていて、面白いわけがない。モモネリアは、俺のものだ。そうだろう?.......だったら、俺が寂しいんだから、ここにいてくれ。ここにいて、全て俺の手から食べるというなら、ローネルがここにいても許す」



 .........ズルい。不敵な笑みをたたえるリードネストがかっこよすぎる。


「ローネルは、もう友人だよ?それに、犬の姿だし....」


「関係ない。ローネルは、どんな姿でも、特に許せん」


「.............」

 モモネリアは羞恥で真っ赤になりながら.......諦めることにした。


 それからローネルは、モモネリアの頑張りにより、
二時間延長して、邸にとどまることができた。


 もちろんその間、モモネリアはリードネストの膝で、赤子のように身を縮めて、彼に甲斐甲斐しくお世話される約束で。



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