麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

 それから、椅子に腰掛るモモネリアに目線を合わせるように少し屈んで、ふんわり笑って優しい声音で問いかける。



「......ん?どうかしたか?」



 それだけでも、モモネリアは胸がふわふわして。
 体の中から溶けてしまいそうな変な心地だ。
 しかし、決して嫌ではない。
 むしろ、くすぐったくて、気持ちよくて。
 もっと、もっと、とリードネストに甘えたくなってしまう。



「.....あのね?....もっと、撫でて、ほしいの....すごく心地よくて。.....ダメ?」



 上目遣いに、遠慮がちに、されど甘えた口調でおねだりするモモネリアは、驚くほど可愛かった。


 どうしようもなく、モモネリアが愛おしい。
 全身が、モモネリアを求める。


 ......抱きしめたい。キスしたい。モモネリアを....今すぐ俺のものにしてしまいたい。

 
 本能が暴れまわる胸の内をなんとか抑え込み、リードネストは自身の左胸をぎゅっと掴んだ。




「.....仰せのままに、俺の可愛い桃姫さま」




 そう言ってまた伸びてきたリードネストのあたたかな手は、モモネリアの頭を撫でる。
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