麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜


 ......こんな気持ちは、初めてだわ。



 モモネリアは、両親と姉に尽くしてきた。
 けれど、それは両親と姉に家族として愛されたいと潜在的に願うが故に、尽くすことで愛を乞うていたに過ぎない。
 これだけ尽くしたのだからいつか愛してくれるはずだ、と。



 だが、リードネストに対するこの気持ちは、それとは違う。見返りを求める気持ちではなく、ただリードネストに喜んでほしい。リードネストの力になりたい。支えたい。

 そんな純粋な思いだった。
 モモネリアは、彼に何かしてあげたい気持ちが抑えられなくなっていた。

 そして考え、行動した。

 モモネリアを甘やかすときの蕩けるような笑顔とは違う、リードネストの驚きや歓喜に溢れた表情を想像して、頬を緩ませながらーー。
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