麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「んー....悩みというか、何と言うか....あのー、リード。お願いがあるんだけど....」
モモネリアは、おずおずとリードの顔を覗き込む。
「ん?なんだ?」
愛しい番のおねだりの予感に胸を弾ませる様子で、キラキラ輝く視線を向けるリードネスト。
「....うぅ~。....あの、ね。言いにくいんだけど....ね。しばらく....会いにこないでほしい、の.....。ごめんなさい」
「ひゅっ......」
言いにくかったが、なんとか言い切ったモモネリアの言葉の後、すぐにそんな声にもならない音が聞こえる。
申し訳なさから、言い切ったあときゅっと目を固く閉じたモモネリアが、何も反応がないリードネストをゆっくり片目を開けながら見遣った時ーー。
リードネストは、凍りついていた。
文字通り顔を青ざめさせて、口は開いたまま。
カチカチに身体を強張らせて、ピクリとも動かない。
漫画なら、『ガーン』とでも効果音が聞こえてきそうな状況だ。