麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

「んー....悩みというか、何と言うか....あのー、リード。お願いがあるんだけど....」


 モモネリアは、おずおずとリードの顔を覗き込む。


「ん?なんだ?」


 愛しい番のおねだりの予感に胸を弾ませる様子で、キラキラ輝く視線を向けるリードネスト。



「....うぅ~。....あの、ね。言いにくいんだけど....ね。しばらく....会いにこないでほしい、の.....。ごめんなさい」



「ひゅっ......」



 言いにくかったが、なんとか言い切ったモモネリアの言葉の後、すぐにそんな声にもならない音が聞こえる。

 申し訳なさから、言い切ったあときゅっと目を固く閉じたモモネリアが、何も反応がないリードネストをゆっくり片目を開けながら見遣った時ーー。


 リードネストは、凍りついていた。
 文字通り顔を青ざめさせて、口は開いたまま。

 カチカチに身体を強張らせて、ピクリとも動かない。
 漫画なら、『ガーン』とでも効果音が聞こえてきそうな状況だ。
 
< 49 / 184 >

この作品をシェア

pagetop