麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜



 ....あ。間違えた、かも?




 そう思った時にはもう遅く、リードネストは意識が飛んでいるような表情だ。



「....リード?」



 リードネストの目の前で手の平をひらひらさせてみる。ハッと我は返り、ぎぎぎっと口を開きかけたリードネストだったが、迷っているのか開いたり閉じたり、なかなか言葉にならない。



「....わかった」


「....え?」



 それだけ?と思った瞬間には、リードネストは踵を返して邸の方に向かっていた。


 ガゼボから数メートル離れたところで、一度こちらを振り返り、また口を少し開きかけ何か言いたげな、悲しげな表情でモモネリアを見てから、結局何も言わずに行ってしまった。



 リードネストの背中が見えなくなって、遠くからパタン、と静かに閉まる邸のドアの音が聞こえてもしばらく視線を動かせないモモネリア。



 ....あ、れ?もしかして、何か....誤解、された?


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