麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
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「.....しばらく、会いにこないでほしいの。ごめんなさい」



 リードネストは、自室の机に突っ伏していた。

 愛しいモモネリアにあの衝撃の言葉を放たれて、ニ日。ずっとモモネリアの声が、頭の中でこだましていた。なんとか仕事はこなしているが、心は悲しくて悲しくて、悲鳴を上げている。

 何をしていても、頭の中にモモネリアがいて、会いたくてたまらなくなる。触れたくて、声が聞きたくて、モモネリアの笑顔が見たくて。



 せめて....と、頭の中でモモネリアをイメージしても、そのモモネリアにあの言葉を何度も繰り返し言われ、生きた心地もしない有様だ。半身を失ったように身体は重く、できれば動きたくない。


 食事などで顔を見ることもできるはずなのに、リードネストはわざと時間をずらして、それさえも二日間我慢していた。

 もちろん、モモネリアの様子は家令のカーヴィンと侍女のハルカに、逐一報告は上げさせている。どうやら最近は、自室にこもっている時間が長いようだ。


 そして、時折リードネストのことを気にして尋ねてくる、とも聞いている。

 カーヴィンは、モモネリアが寂しがっている、食事だけでも一緒にとったらどうか、と言ってくるが本当にそうなのだろうか.....。


 ただ、自分に会いに来ないか心配で、居場所を確かめているだけなのでは......?


 なんとも後ろ向きなことばかり頭に浮かんで、会う勇気が出ない。


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