麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
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「...いただきます」
しばらくキラキラ瞳を輝かせてクッキーを見つめていたリードネストは、パクリと一枚を口に含んだ。
ゴクンと呑み込んでから、「おいしい」と蕩けた笑顔で言うリードネストにドキドキが止まらない。
.......なんて幸せそうに笑うのかしら。
その顔をさせているのが自分だと思うと、胸の中が温かなもので満たされていく感じがした。
「.......モモネリアも食べるか?」
「え?」
言われたかと思ったら、ひょいっと、突然身体が宙に浮いた。そして、すぐに隣に座っていたリードネストの膝に横抱きに乗せられていた。背は、リードネストの右腕に支えられている。
「........はへ?」
驚き過ぎて、間の抜けた声が出た。
リードネストは満足そうに頷いて、左手で掴んだクッキーをモモネリアの小さな口に運ぶ。
「はい、あーん」
ものすごくいい笑顔で、モモネリアが口を開くのを待つリードネストに.......負けた。
恥ずかしくて穴に入りたいくらいだが、口を開くまで待ち続けるであろう、この大きな狼の手の中のクッキーをパクっと食べる。
.......いや、おいしいよ?うん、味はおいしい。
.......でも.....下ろしてほしい。
「.......おいひぃ、です」
デロデロに溶けてしまいそうなほど、甘い雰囲気を醸し出す狼に、顔が真っ赤になる。