麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「........えっと。.......知らなかった、の」


「.....だろうな。......なぁ、モモネリアは......少しは俺を好意的に見てくれているんだろうか。嫌われては、いないんだよな?」


 リードネストの嬉しげだった表情が少し曇って、困った顔になる。

「......っっ!!嫌い、なわけないっ!!」


 咄嗟に、口をついて出た強い否定に、リードネストも、モモネリア自身も驚いている。

「.....じゃぁ、俺をどう思ってるんだ?」


 不安に揺れる瞳で、躊躇いながら問うリードネスト。


 .....私は....リードを、どう思っているの?

 ......喜んで、ほしい。支えてあげたい。大切にしたい。

 .......ずっと、そばに居てほしい。

 ......そんなふうに思ったのは、リードが初めて。



 今までモモネリアには何も求めず、愛情を注ぎ続けてくれていたリードネストが、初めてモモネリアに返事を求めてくれている。

 そんなことに、一切重荷を感じず、むしろ愛してくれているから、モモネリアを求めてくれているから、故の行動なのだと嬉しく思っている。

 それに気づいた瞬間、モモネリアにとってその気持ちこそが答えなのだと感じた。



 ......私、リードに愛されて、求められて、嬉しく思っている。

 .......私は、リードが好き、なんだわ。


 胸にストンとハマったピースは、今までぽっかり空いていた心の穴を埋めてくれた気がした。
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