麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「モモネリア、これもうまいぞ。口を開けてみろ。あーん」
「....むぐ。........コクン。おいしい、わ」
「そうか!お前が気に入ったなら、毎日用意させよう。ほら、もっと食べろ。......あぁ、今日も愛らしい。俺の天使、モモネリア。俺の手からぶどうを食べるモモネリア、一生見ていられる!」
アイスが溶けるみたいにデロデロに表情を崩すリードネスト。もうツッコミどころが多すぎて、何からツッコめばいいのやら。
リードネストは、あれからモモネリアへの溺愛をドがつくほど加速させて、モモネリアは一日中真っ赤になりっぱなしだ。
今日は、朝食を庭のガゼボで食べよう、ということになった。朝からいい天気で、空は雲ひとつなく晴れ渡り、暑くもなく寒くもなく、時折心地よい風が吹いている。
庭の花々は、花びらの朝露が瑞々しく太陽を反射してキラキラ輝く。
花の甘い蜜を吸いにきた鮮やかな色彩の蝶は軽やかに飛び、景色には非常に癒される.......のだが。
モモネリアは横抱きでリードネストの膝の上に乗せられ、何故か食べさせてもらっている状況である。
リードネスト曰く、求愛行動中...らしい。
何度自分で食べるとお願いしても離してもらえず、諦めて素直に口を開けるが......恥ずかしいものは恥ずかしい。
だって......ここは私たちだけでなく数人の使用人も側で控えているのだ。
あぁ......使用人たちの生温かい視線が痛い.......。
邸の者たちは、私たちの雰囲気を察知しているようで、両想いになったことは伝わっている気がする。