麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「いいや、今絶対!カーヴィンに熱い視線を送っていた!.....ちっ、カーヴィンもやはり男か....。モモネリアの瞳に映らないように、時間を入れ違いにするべきだったな.....」
何やら、怖い顔でボソボソと呟くリードネスト。
最後の方は、ほとんど聞こえなかったが、時間を入れ違いにするとか何とか聞こえたような......?
「......え?時間をってどういう意味?」
モモネリアは、疑問を投げかけた。
「........いや、何でもない」
明らかに、しまった、とでも言うように顔を強張らせ、顔を不自然に背けるリードネストをモモネリアは不審に思った。
カーヴィンを見遣れば、冷たい視線をリードネストに送っている。
.......うーん、これは何かあるな。
「....リード?......私に何か隠していることはある?」
凄みをきかせて、問いかけてみる。
沈黙が落ち、顔を背けたままのリードネストの反応はない。
「........リード」
なるべく低めの声で、もう一度。
「うぅっ......」
すると、リードネストは観念したようにおずおずと答えた。