麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「........男性の使用人に、モモネリアと接触しないよう配慮を頼んだ」
「...............」
......えっと、どういう意味だろう?
モモネリアはしばらく考えたが、さっぱり意味がわからず、首を傾げた。確かに、この邸に来てから男性の使用人には会っていない。
カーヴィンだけだ。
すると、カーヴィンが静かにモモネリアに呼びかけた。
「.......奥様」
「......はい。........ん?.....お、奥様?」
カーヴィンのモモネリアに対する呼び方が、変わっている。
いつからだ?.....確か、今までは「お嬢様」とか「モモネリア様」って呼ばれてた、ような?
「はい、さようでございます。奥様。旦那様から、これから奥様と呼ぶように仰せつかっております故」
爽やかな笑顔で、そう告げたカーヴィンにモモネリアは動揺した。リードネストを見れば、当然とでも言うたげに真剣な顔つきで大きく頷いていた。
.......えぇっ、いつの間に?
........じゃぁ、雰囲気を察知してたのではなく、私たちの両想いは既に周知の事実だったのね。