麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

 この邸に来てからリードネストの言動や態度に、モモネリアへの愛を感じなかったことなどなかったが、これは予想外にモモネリアを昂らせた。


「.........嫌に、なったか?」


 膝の上で黙り込んで俯いてしまったモモネリアを見て、リードネストはうかがうように顔を覗き込む。


 三角耳はぺったりと寝て、尻尾は下の方でゆっくり揺れている。

 すぐ近くに見えるその顔には、不安の色が浮かんでいた。

 この大きな体躯の男性が、モモネリアただ一人に深い愛をそそぎ、他の男性に奪われまいと必死で囲い込み、一方でモモネリアに嫌われることを恐れている。



 ........何だか、可愛い。



 モモネリアは、思わずリードネストの大きな胸にぎゅっとしがみついた。そのまま胸に顔をぐりぐりと押し付ける。


 
 嬉しいのと、恥ずかしいのと、愛おしいのと、可愛いのと..........それから、ありがたいのと。



 色んな気持ちが波のように押し寄せて、ぐしゃぐしゃで。

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