仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
────ということは……
「ご両親もご存知ないのですね」
「はい。両親には“ずっと想っていた相手と結婚する”と伝えておりまして……。勝手に申し訳ありません」
わずかに視線を伏せた彼に、私は慌てて首を振った。
「とんでもないです、ご両親が納得されるためには嘘も必要ですよね……! それに実は私も、社長のことを“前からお付き合いしていた方”だと両親に説明しておりますので」
彼から結婚の提案をされた翌日に、母に電話で結婚するかもしれないと相談の電話を掛けたのだ。
相手が相手だから今までなかなか相談できずにいたと適当な理由をつけて説明すると母はあっさり納得し、そしてそれ以上に喜んでいた。
「……。そうでしたか。では、お互い様ですね」
そう言って、彼は小さく息を吐いた。
「──まあ、そういうわけで。パーティーに向けて、偽装関係がバレないための準備が必要になってくる……というのが今日の本題になります」
膝の上で、思わずぎゅっと拳を握りしめる。
つまり私は、彼が長年想い続けてきた相手として振る舞わなければならない。
なんというプレッシャーだろう。