仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

まっすぐにこちらを射抜く視線に、心をじりじりと焦がし尽くされるような感覚に陥る。

「……統悟さん……」

熱に浮かされるように、気づけば彼の名前を口にしていた。

すると、能面のように完璧だった彼の顔が、ふっと柔らかくほどけて。
満足そうに目を細めると、まるで愛しいものに触れるように私の頭をやさしく撫でた。


「きちんと呼べて偉いですね」

少し遅れて、心臓がまた妙な音を立て始める。


「さて。ルールは他にもおいおい定めていくとして、まずはお互い、他人行儀な態度をやめることから始めましょうか」

「そ、そうですね……私もそうするのがいいと思います」

機械で読み上げたようなぎこちない返事になってしまった。

だって、こんなにもどきどきする。
さっきまでの緊張とは違う、甘い熱が押し寄せてくるような鼓動。

呼び方ひとつで感じる距離がこんなに変わるなんて思っていなかった。
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