仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
初めの頃からもしかしてとは思っていたけれど、彼はやはり意地悪だ。

さっき電話をしていたときの雰囲気とは打って変わって、甘い大人の色気をこれでもかというほど見せつけてくる。


三日前、お風呂上りにかなりラフな格好で廊下でばったり出くわしたときなんか。

無防備な格好で歩くなと注意をしてきたかと思えば、「そんな恰好をしていたら、このままベッドに連れていかれても文句は言えないな」なんて耳元で囁いてきたのだ。

さすがに刺激が強すぎて、その場に倒れるところだった。

毎日毎日こんな感じなので、カラクリもなにもあるわけがない。必然だ。

ひょっとして彼は、私をからかうのを生きがいにしてるんじゃないかとさえ思う。


「リセットされないように私も頑張ってはいるのですが。すみません……」

消え入るような声で謝ると、彼はさらに距離をつめてくる。

「頑張っている、ねえ……? では具体的に、なにをどう頑張っているのか、今ここで詳しく聞かせてもらおうかな」

「え? ええと、そうですね……。まずは統悟さんの色気に慣れるべく、リビングに入る前に必ず精神統一の時間をつくったりとか」


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