仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
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──── 一時間後。
それぞれの部屋でお風呂を済ませた私たちは、リビングのソファで向かい合い、打ち合わせを始めていた。
議題は、『パーティーで偽装夫婦だと悟られないための完璧な設定作り』といったところ。
「まずは、俺たちの馴れ初めから詰めましょうか」
そう言いながらタブレットを開いた彼に、こくりと頷く。
彼はいつのまにか敬語に戻ってしまっているけれど、そういえば食事のあいだだけという決まりだった。
「出会いは二年前。マンションの視察に出向いた際に俺が理優さんに一目惚れし、半年間かけて口説き落とした……という設定でいこうと思います」
「っ、一目惚れ……?」
「異論がありますか? 特に無理のある設定ではないと思いますが」
「いえっ、そういうわけじゃないのですが。ただ、統悟さんみたいな完璧な人が一目惚れなんて、あまり皆さんイメージがつかないんじゃないかと……」
正直な意見を漏らすと、彼は不思議そうに首を傾げた。
「……自分の価値を低く見積もりすぎですよ。あなたのコンシェルジュとしての立ち振る舞いは完璧です」
そういう意味ではないんだけれど……と思いつつも、ぐっと呑み込む。
仕事ぶりを褒められるのは素直に嬉しい。