仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
「……っ」

あまりの近さに、息を吸い込むことすら忘れてしまった。

彼の大きな手が腰のあたりに腰に回される。

心臓が破裂しそうだ。
統悟さんにこの音が聞こえてしまうんじゃないかとハラハラする。

いや、もうすでに聞こえているに違いない。
だってこんなにも狂ったように激しく……────

だめ、これじゃ訓練どころじゃない……!
押し寄せる熱に耐えきれなくなり、咄嗟に彼の胸元を両手で押し返した。

「……すみません、これ以上は……っ」

ソファの端まで距離を取り、肩を上下させて呼吸を整える。
頬がチリチリと熱い。間違いなく真っ赤に染まっているはずだ。

「……理優さん?」

「ちが……違うんです、なんというかその……心拍数が限界を迎えてしまって……すみません」

俯いたまま必死に言い訳を口にした。
せっかく彼が時間を割いて訓練をしてくれているのに、動揺のあまり逃げ出すなんてパートナー失格だ。


「……いや、俺のほうこそ急ぎすぎました。あなたのペースを無視してしまって申し訳ありません」

「いえ、そんな……」

「今日はもう寝ましょうか」

統悟さんが立ち上がる気配がして、胸がちくっと痛んだ。
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