仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
「あれ……? す……すみません……、体が勝手に……」
慌てて距離を取ろうとすれば、そのままぐいっと引き寄せられてしまった。
あまりの近さに焦点が合わない。
抱きすくめられていると、あっという間に全身に熱が回る。
苦しい。
もっと触れていたい。
矛盾した気持ちがぐちゃぐちゃにぶつかって、ついには理性までも奪っていく。
「はあ……本当に困った人だ」
そんな言葉とは裏腹に彼の甘く響くのは、私の都合のいい勘違いだろうか。
「すみません……、自分でもよくわからなくて……」
「………」
「でも、さっきのではまだ……足りなかった、のかも」
だめ。だめだと思うのにブレーキが効かない。
一度溢れ出してしまった本音は、もう自分では止められなかった。
私を抱きしめる腕の力がゆるんだかと思えば、ふと、目の前に影が落ちる。
「言ったでしょう。俺の理性がいつでも効くとは限らないので気をつけてくださいと……、あれほど」
「統悟、さ……」
呼びかけた名前は、彼の唇によって遮られた。