仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

統悟さんが答える前にと、図々しいことを承知で私は続ける。

「ええ。以前、主人が徳井様の鋭い先見の明を絶賛しておりましたので」

「わあ、本当? 嬉しいなあ」

「先日のインタビュー記事も拝見しました。二十キロ以上の減量に成功されたとか……。あまりに精悍になられたので、主人がびっくりして言葉を失うのも無理はありませんね」


そこまで言い切ってから。統悟さんの腕にそっと手を添える。
彼の肩の力が、ふっと抜けるのがわかった。


「……失礼しました、徳井社長。あまりの変貌ぶりに、一瞬呼吸を忘れてしまいました。そのストイックさ、見習いたいです」

「はははっ、ありがとう。いやあ、本当に自分でもよくがんばったと思うよ」

「ああ、そうだ。この前雑誌に載っていた新規事業の展望についても、実に興味深く拝見しましたよ」


……よかった。これでもう大丈夫そうだ。

徳井社長は、痩せた影響で声も少し変わってしまったのかもしれない。
統悟さんは相手の声を頼りにしていると言っていたし、わからなかったのもうなずける。

なんにせよ、たまたまあのネットニュースを見ていて助かった。
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